システム開発で失敗する会社の共通点
失敗事例5選と会社選びの見極め方【2026年】

システム開発完全ガイドに戻る
Back to HOME

「多額の予算をかけたのに動かない」「追加費用が膨らみ続けている」「完成したのに現場が誰も使わない」——システム開発の現場では、今なお大多数のプロジェクトが何らかの形で失敗しています。

なぜ失敗は繰り返されるのか。そして、どうすれば見抜けるのか。20年以上のシステム開発実績を持つWEB-WINGが、開発会社の側から正直に解説します。

この記事の結論

システム開発の失敗の多くは「要件定義の不備」と「開発会社の選び方」の2点で決まります。技術力の問題より前に、「何を作るか」が正しく決まっていないこと、そして「誰に頼むか」を間違えることが、失敗の引き金になっています。

この記事でわかること
  • 【自己診断】あなたのプロジェクトは大丈夫?失敗リスクの8項目チェック
  • 実際に起きた失敗事例5選(費用・期間の被害額つき)
  • 失敗の根本原因:発注者側・開発会社側・両者に起因する3軸の分類
  • 「失敗する会社」を見分ける比較表(信頼できる会社 vs 危ない会社)
  • 失敗を防ぐための4ステップ(発注前にやるべきこと)
  • 進行中のプロジェクトが不安な場合のセカンドオピニオン活用法

【まず確認】あなたのプロジェクトは大丈夫ですか?

失敗リスク診断チェックリスト

読み進める前に、以下の項目を確認し、現在の状況をセルフチェックしてください。

失敗リスク診断(発注前・進行中どちらも使えます)
  • 約束された期日に発注システムが納入されるのが当たり前と思っている
    業界で最も多いトラブルは、期日通りにシステムが納入されない納期遅れです
  • 「とりあえず見積もりだけ取りたい」という状態で相談しようとしている
    要件が固まっていない段階の見積もりは、後で大きく変わります
  • 「詳しくはお任せします」と開発会社に伝えている・伝えようとしている
    「お任せ」は追加請求の温床。業務フローを言語化してから依頼することが必要です
  • 見積もりに総額しか書かれておらず、内訳がない
    根拠のない見積もりは後で言い訳されるリスクがあります
  • 実際にシステムを使う現場担当者が要件定義に参加していない
    経営層だけで決めると「誰も使わないシステム」になりがちです
  • 納期が極端に短く、テスト工程が1ヶ月未満しか確保されていない
    テスト削減は後でバグ多発という形で跳ね返ってきます
  • 仕様変更が発生した場合の費用計算ルールがわからない
    変更ルールなし=高額な追加請求リスク

2つ以上当てはまった場合は要注意。4つ以上なら、そのプロジェクトはすでに失敗のレッドゾーンにあります。このページを最後まで読んでから発注・継続判断をしてください。

失敗率のデータ:なぜ7割が失敗するのか

数字で見るシステム開発プロジェクトの現実

31% プロジェクト成功率
(CHAOS Report)
16% 大規模案件の成功率
(日経コンピュータ)
0% IT投資が「期待以上」
と回答した企業の割合
60%超 予算超過の原因が
「追加開発」のプロジェクト

Standish GroupによるCHAOS Reportの成功率は31%、日経コンピュータの調査では3年超の大規模プロジェクトの成功率はわずか16%です。アビームコンサルティングが国内大手企業125社を対象に行ったIT投資意識調査では、過去3年間の成果に「期待以上」と回答した企業は0%でした。

これらの数字が示すのは、「失敗はレアケース」ではなく「成功する方が珍しい」という現実です。なぜこれほど失敗が多いのか——次のセクションの事例で確認してください。

重要:これらの統計は「大企業・大規模案件」を含む数字です。中小企業の小〜中規模案件では成功率はより高くなりますが、「失敗しにくい規模だから大丈夫」という根拠にはなりません。失敗パターンは規模に関わらず共通しています。

実際に起きた失敗事例5選

「あるある」ではなく「今も起きている」現実

以下の事例はすべて実際に発生しているパターンです。社名・個人情報を除いた形で整理しています。「自社のことかもしれない」と感じた場合は、今すぐプロジェクトの状況を見直してください。

事例 01 / 最多発生パターン
「おまかせ」で発注したら、要件が変わるたびに追加請求された
業務管理システムを開発会社に依頼。「細かいことはプロにお任せします」という姿勢で発注した結果、開発が進むにつれて「その機能は追加費用です」という請求が続いた。当初見積もり400万円のプロジェクトが最終的に780万円に膨らみ、納期は当初より8ヶ月遅延。
根本原因は「何がスコープ内で何が外かを契約前に合意しなかった」こと。開発会社は間違っていないが、発注者側が守られなかった。
被害:当初見積もりの約2倍・8ヶ月遅延
事例 02 / 後悔率が最も高いパターン
最安値の会社を選んだら、技術力不足で途中放棄された
相見積もりで最安値だった会社(他社の約40%の価格)にECシステムの開発を依頼。開発開始後3ヶ月で「要求された仕様の実装が難しい」として一方的に作業を停止。納品されたのはほぼ動作しない途中状態のコードのみ。
別の会社に引き継ぎ依頼したところ「コードの品質が低すぎて流用できない」と判断され、実質一からやり直しになった。最終的に当初の2.5倍の費用と1年以上の時間を費やした。
被害:費用2.5倍・開発期間1年以上の追加・機会損失甚大
事例 03 / 最も多い「静かな失敗」
完成・リリースしたのに現場が誰も使わなかった
社内向け業務支援システムを開発。経営層と情報システム部門が要件を決め、「現場は使えば慣れる」という判断でリリース。しかし、UIが現場の実際の作業フローと合っておらず、入力項目が多すぎて従来の紙業務より時間がかかる状態に。
導入後2ヶ月で「使いにくい」という声が噴出し、実質的に放置された。開発費約600万円が埋没コストになった。改修費用もさらに200万円かかった。
被害:開発費600万円が埋没コスト・改修費200万円追加
事例 04 / リリース後に発覚する恐怖
リリース直後にセキュリティ侵害が発生し、顧客情報が漏洩した
会員サービス用のWebシステムをリリース。開発時にセキュリティ要件は「一般的な対策」として一括処理。リリースから3週間後、SQLインジェクションによる不正アクセスが発生し、会員データ約2万件が外部に漏洩。
システムの緊急停止・調査・再構築・顧客への謝罪対応・法的対応で、直接費用だけで2,000万円超の損害に。その後の信頼失墜による売上への影響は算定不能。
被害:直接損害2,000万円超・ブランド毀損・顧客離反
事例 05 / 技術負債が積み重なるパターン
安く作ったシステムが5年後に「作り直しが必要」になった
5年前に低予算で構築した基幹システム。当時は「とにかく安く」という要件で、将来の拡張性を無視した設計で構築。運用開始後、機能追加のたびに既存コードとの整合性問題が発生し、毎回高額の改修費用がかかり続けた。
5年間の累計保守・改修費用は当初開発費の約4倍に達し、最終的には「作り直した方が安い」という結論に。スクラッチで再開発することになり、再び大きな投資が必要になった。
被害:5年間の累計コストが当初開発費の約4倍・再開発を余儀なくされた

これらの事例に共通するのは「発注前に防ぐことができた」という点です。次のセクションで根本原因を整理します。

失敗の根本原因:3軸で整理する

「技術力の問題」だけではない構造的な原因

失敗の原因を「開発会社が悪い」と一括りにするのは間違いです。実際には発注者側・開発会社側・両者の問題が複合して発生しています。

発注者側に起因する失敗

  • 要件が「なんとなく」のまま発注する
  • 現場担当者を要件定義に参加させない
  • 「完成したら終わり」と思っている(保守を想定しない)
  • 見積もりの内容を読まずに承認する
  • 価格だけで会社を選ぶ
  • 仕様変更を口頭で伝え、文書化しない

開発会社側に起因する失敗

  • 要件が曖昧なまま「できます」と受注する
  • 技術力が不足しているのに受注する
  • 見積もりを意図的に低く出して後から追加請求する
  • テスト工程を削ってリリースする
  • セキュリティを後回しにして設計する
  • 納期が迫ると品質より工数を優先する

両者の問題が絡む失敗

  • 認識齟齬の放置(「言ったはずだ」「聞いていない」)
  • 仕様変更の合意形成なし
  • 進捗報告・確認の仕組みがない
  • 契約内容のあいまいさ(スコープ・保証期間など)
  • リリース後のサポート範囲が未定義
開発会社から見た本音:発注者側の準備不足と、開発会社側の「言いにくいことを言わない文化」がほぼ全ての失敗に絡んでいます。良い開発会社は「それは難しい」「その要件では後で問題が出る」と言えます。何でも「できます」と言う会社は要注意です。

「失敗する会社」を見分ける比較表

信頼できる開発会社 vs 危ない開発会社の8つの違い

「安い」「実績がある」だけでは判断できません。実際の対応の違いを8項目で比較します。

評価項目 ✅ 信頼できる会社 ⚠ 危ない会社
納期遅れ
リスク
過去の案件で、納期を遵守している 納期遅れリスクについて触れない
要件定義
への姿勢
要件整理を一緒にやりましょうと提案してくる。「できないこと」も明示する 「おっしゃる通りに作ります」と言うだけ。要件の曖昧さを指摘しない
見積もりの
透明性
項目別の費用が明示されている。リスク費用も含まれている 内訳の説明を求めると曖昧な返答
技術力の
証明
資格保有者(ネットワークスペシャリスト等)や類似業種の具体的な実績を提示できる 「実績多数」のみで具体的な案件内容を提示できない。資格等の証明がない
仕様変更
への対応
変更が発生した場合の費用計算ルールを契約前に提示する 変更ルールに触れない。後から「追加費用が発生します」と言ってくる
保守費用
の提示
保守費用を提示する 後で高額な保守契約を求めてくる
担当者の
コミュニケーション
実際に開発するエンジニアが直接話してくれる。専門用語をわかりやすく説明できる 営業担当だけが窓口で、エンジニアと話せない。技術的な質問が返ってこない
リスクへの
正直さ
「この要件だと後でこういう問題が出る可能性があります」と事前に指摘してくれる リスクを指摘せず、受注を優先する。問題が出てから「想定外でした」と言う

より詳しいシステム開発会社の選び方は、費用相場ページの見積書チェックリストもあわせてご確認ください。また、「スクラッチかパッケージか」という手法の選択ミスも失敗の引き金になります。スクラッチ開発の詳細解説もご参照ください。

「この会社、大丈夫かな」と思ったらWEB-WINGへ

現在の開発会社の見積もりや対応に不安を感じている方へ。
20年以上の実績を持つWEB-WINGが、第三者として状況を診断します。
初回相談・セカンドオピニオン無料。

無料でご相談・セカンドオピニオン →

失敗を防ぐための4ステップ

発注前にやるべきこと——この順番を守れば失敗リスクは激減する

  1. 「何をやらないか」を決める(最重要)
    やりたいことだけを伝えると機能が膨らみ、費用と工期が膨らみます。「このシステムでやらないこと・後回しにすること」の境界線を引いてから発注してください。「最小限の機能でリリースして段階的に追加する」設計が費用対効果を最大化します。
  2. 業務フローを1枚の図に書き出す
    「現状の業務フロー」と「システム化後の業務フロー」を図(フローチャートや箇条書きでも可)にして渡すと、開発会社の工数見積もりの精度が上がり、後の認識齟齬が激減します。現場担当者を必ずこの作業に参加させてください。
  3. 「仕様変更ルール」を契約前に合意する
    仕様変更が発生した場合のルールを合意してから発注してください。これがないと完成までに高額な追加費用が発生する可能性があります。また、瑕疵担保期間(リリース後の無償修正期間)と保守費も必ず確認してください。

そもそもの「開発手法選び」を間違えていないか?

失敗の根本原因の多くは「手法のミスマッチ」です。スクラッチが必要な案件にSaaSを選ぶ/パッケージで十分な案件にスクラッチを選ぶ——どちらも頻出する失敗パターン。3問30秒で、業務独自性・予算・変更頻度から最適な手法を判定できます。

3問で開発手法を即判定する(無料・30秒) →

進行中のプロジェクトが不安なら

「なんとなく不安」の段階で動くのが最善

「進行中だが追加請求が続いている」「開発会社からの報告が減った」「仕様通りに動いているか自信がない」——こうした不安を感じている場合、第三者によるセカンドオピニオンを活用することを強く推奨します。

セカンドオピニオンでできること

現在の進捗・品質の確認:現時点での状況を第三者が確認し、問題の有無と程度を客観的に評価します。

見積もりの妥当性確認:請求が正当かどうか、工数の根拠が合理的かどうかを判断します。

継続・見直しの判断材料:現在の開発会社を継続すべきか、引き継ぎを検討すべきかの判断材料を提供します。

早期発見が最も安い:問題が小さいうちに発見すれば対処コストが低くなります。「なんとなく不安」の段階で相談するのが、最終的に最もコストが低くなる判断です。「完全に壊れてから気づく」のが最もコストが高くなります。

他社で進行中のプロジェクトが不安な方へ

現在の見積もり・進捗・品質に不安を感じている方。
WEB-WINGが専門家の視点で無料診断します。
立川市拠点・20年以上の実績・初回相談無料。

無料でセカンドオピニオン相談 →

よくある質問

A
最も多い原因は「要件定義の不備」です。何を作るかが曖昧なまま開発が始まると後になって仕様変更が多発し、費用が当初見積もりの1.5〜2倍に膨らむケースが後を絶ちません。Standish GroupのCHAOS Reportでもシステム開発プロジェクトの成功率は31%にとどまっており、失敗の主因は一貫して要件定義の不備です。
A
5つの基準で評価することを推奨します。①過去に納期を守れなかったケースがどの程度あるか、②要件定義を支援してくれるか、③見積もりに個別項目が明示されているか、④「できない」とはっきり言えるか、⑤担当エンジニアが直接話してくれるかの8点です。
A
まず契約書と仕様書を確認し、現状、完成している情報の引き渡しを要求してください。次に、現状のソースコードを別の開発会社に引き継ぎ調査してもらうことを検討します。WEB-WINGでは引き継ぎ開発の相談も承っています。なお、途中放棄のリスクを下げるためには、発注前に会社の継続年数・実績・担当者の素性を確認することが重要です。
A
最も効果的な方法は発注前に要件定義を自社で先行させることです。「何をやりたいか」だけでなく「何をやらないか」の境界線を明確にして渡すと、後の追加請求が大幅に減ります。また、仕様変更時の費用計算ルールを契約前に合意することも重要です。変更ルールが契約にない場合、途中での請求が青天井になるリスクがあります。
A
最大の原因は「実際に使う現場担当者が要件定義に参加していない」ことです。経営層や情報システム部門だけで要件を決めると、現場の実態と乖離したUIや機能になります。対策は、設計段階から実務担当者に画面モックアップを確認してもらうことです。導入後1ヶ月で放置されるシステムの多くは、要件定義の段階で現場ヒアリングが不足しています。
A
主な理由は3つです。①要件の認識差:要件が曖昧な状態で見積もると各社の解釈が違うため金額が大きくズレます。②人月単価の差:会社によってPM・SE・PGの単価が大きく異なります。③見積もりの精度の差:安い見積もりは故意に機能範囲を狭く設定しているか、後で追加請求を前提にしていることが多いです。詳しくは費用ページをご覧ください。
A
最も多いのは個人情報漏洩と不正アクセスです。2026年現在、サプライチェーン攻撃(使用しているパッケージやライブラリの脆弱性を狙う攻撃)による被害が急増しています。開発時にセキュリティ要件を後回しにした結果、リリース直後に攻撃を受けるケースも増えています。セキュリティは設計段階から組み込む「セキュア設計」が必須で、後付けでの対応はリリース後の3〜10倍のコストがかかります。
A
第三者による「セカンドオピニオン」を推奨します。現在の開発会社との契約・仕様・進捗状況を別の会社に見てもらうことで、リスクの有無と程度が客観的に判断できます。WEB-WINGでは進行中プロジェクトの無料診断を承っています。「なんとなく不安」の段階で相談するのが最も賢明です。

まとめ

システム開発の失敗は「珍しいこと」ではなく、対策をしなければ「むしろ普通に起きること」です。失敗を防ぐために最低限押さえてほしいことを整理します。

  • システム開発の成功率は31%(CHAOS Report)。大規模案件では16%まで下がる
  • 失敗の最大原因は「要件定義の不備」——何を作るかを曖昧にしたまま発注しない
  • 「お任せ」発注は追加請求の温床。「何をやらないか」の境界線を先に決める
  • 最安値で選ぶと途中放棄・品質問題が高確率で発生する
  • 現場担当者が要件定義に参加しないと「誰も使わないシステム」になる
  • セキュリティの後付けは「設計段階の3〜10倍」のコストがかかる
  • 「仕様変更ルール」を契約前に合意することが費用膨張を防ぐ唯一の手段
  • 進行中のプロジェクトが不安な場合は「なんとなく不安」の段階でセカンドオピニオンを取る
  • 詳しい費用・見積もりの考え方は費用相場ガイドページ、手法選定はスクラッチ開発の詳細ページも参照

失敗しないシステム開発のご相談はWEB-WINGへ

要件定義の支援・見積もりの透明性・20年以上の実績。
「他社の見積もりが高すぎて不安」「進行中のプロジェクトが心配」という方もお気軽に。
立川市拠点・初回相談・概算見積もり無料。

無料でご相談・セカンドオピニオン → システム開発完全ガイドに戻る →

この記事は引用・参照を歓迎しています

URLリンク付きでのご紹介をお願いします

システム開発完全ガイドに戻る
Back to HOME