「見積もりをもらったが、これは適正な金額なのかわからない」「同じ機能のはずなのに会社によって金額が2倍以上違う」——システム開発費用の不透明さは、発注担当者が最も頭を悩ませる問題のひとつです。
この記事では、20年以上のシステム開発実績を持つWEB-WINGが、比較サイトには書けない「見積もりの裏側」まで含めて、費用の全体像を正直に解説します。
システム開発費用は、作るシステムの種類と規模によって大きく変わります。まず全体の感覚値を把握してください。
| システムの種類 | SaaS活用 | パッケージ+改造 | スクラッチ開発 |
|---|---|---|---|
| Webシステム EC・会員・予約・マッチング |
月額5〜30万円 | 50〜300万円 | 300〜1,000万円 |
| 業務支援システム 営業・在庫・プロジェクト管理 |
月額5〜20万円 | 100〜500万円 | 500〜2,000万円 |
| 基幹システム 販売・会計・人事・給与 |
月額10〜50万円 | 300万〜1億円 | 1,000万〜数億円 |
| スマホアプリ iOS/Android両対応 |
— | 100〜500万円 | 500〜3,000万円 |
| 社内ポータル・ナレッジ 掲示板・文書管理・ワークフロー |
月額3〜15万円 | 100〜300万円 | 300〜2,000万円 |
上記はあくまで目安です。同じ「ECサイト」でも機能・ユーザー規模・決済連携の複雑さで費用は大きく変わります。ただし、この表の範囲から大幅に外れる見積もりには理由を確認することを推奨します。
システム開発費用が高い理由は、費用の約70〜80%が人件費だからです。建設費の大半が人工(にんく)であるのと同じ構造です。
システム開発業界では「人月(にんげつ)」という単位で費用を計算します。
開発費 ≒ 人月単価 × 人数 × 開発期間
例:SE 1人(月100万円)× 3人 × 4ヶ月 = 1,200万円
| 職種 | 役割 | 人月単価の目安 |
|---|---|---|
| PM プロジェクトマネージャー |
全体管理・スケジュール・発注者との窓口 | 120〜200万円/月 |
| SE システムエンジニア |
要件定義・設計・技術判断 | 80〜120万円/月 |
| PG プログラマー |
実装・コーディング | 50〜80万円/月 |
| テスター | 品質確認・バグ検出 | 40〜60万円/月 |
同じ開発費1,000万円の場合、以下のように工数が配分されるのが一般的です。
| 工程 | 費用の割合 | 1,000万円の場合 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 要件定義 | 10〜20% | 100〜200万円 | 最重要工程。ここが甘いと全体が崩れる |
| 基本設計・詳細設計 | 20〜30% | 200〜300万円 | 土台作り。手抜きは後の手戻りを招く |
| 開発・実装 | 40〜50% | 400〜500万円 | プログラミング本体 |
| テスト・リリース | 15〜25% | 150〜250万円 | 品質担保。削ると後でバグが多発する |
「初期費用が安いSaaS」を選んだのに、5年後に「スクラッチにしておけばよかった」と後悔するケースがあります。逆も然りです。システム投資の判断は5年間の総保有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)で比較することが必須です。
| ケース | 初期費用 | 年間コスト | 5年間のTCO |
|---|---|---|---|
| SaaS利用 月額15万円のツール |
ほぼ0円 | 180万円/年 | 900万円 |
| パッケージ+改造 カスタマイズ込み |
300万円 | 60万円/年 (保守費20%) |
600万円 |
| スクラッチ開発 自社資産として構築 |
500万円 | 60万円/年 (保守費12%) |
800万円 |
一般的な保守費用は開発費の年額12〜15%が目安です。大手ベンダーでは年額20%以上のケースもあります。開発費1,000万円のシステムの場合、5年間で最大1,000万円の保守費が別途かかることになります。
| 判断ポイント | SaaS有利 | スクラッチ有利 |
|---|---|---|
| 利用期間 | 1〜2年の短期 | 3年以上の長期 |
| ユーザー数 | 少人数(〜10人) | 中〜大規模(30人〜) |
| 業務の独自性 | 標準的な業務 | 独自フローがある |
| システムの資産価値 | 残らない | 自社の資産になる |
| データの管理権限 | ベンダー依存 | 完全に自社管理 |
スクラッチ開発と各手法の詳しい違いについては、スクラッチ開発の完全解説ページをご覧ください。
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開発手法によって費用・期間・自由度・リスクが大きく異なります。
| 項目 | スクラッチ開発 | SaaS活用 | ノーコード | パッケージ+改造 |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 高い 300万〜 |
低い ほぼ0円〜 |
中程度 50〜300万円 |
中程度 50〜500万円 |
| 月額・維持費 | 低い 保守費のみ |
高い 月額累積 |
中程度 プラン費用 |
中程度 ライセンス料 |
| 自由度 | ◎ 無制限 | ✖ 機能制限 | ○ 中程度 | △ カスタマイズ限定 |
| 開発期間 | 長い 3ヶ月〜1年 |
最短 即日〜数週間 |
短い 1〜3ヶ月 |
中程度 1〜6ヶ月 |
| 資産として残る | ◎ 完全に残る | ✖ 残らない | △ 条件による | △ ライセンス依存 |
| 5年間のTCO | 中〜低 長期では優位 |
高い 月額が積み重なる |
中程度 | 中程度 |
比較サイトには書けない内容です。20年以上の実績を持つ開発会社の立場から、発注者が損をしている典型的なパターンをお伝えします。
以下の8項目が見積書に含まれているかを確認してください。不明な場合は発注前に確認を取ることを推奨します。
8項目のうち5項目以上が「明記されていない」場合は、発注前に書面で確認することを強く推奨します。口頭での約束はトラブルの元です。
費用を抑えることは重要ですが、削り方を間違えると品質問題やプロジェクト失敗に直結します。
WEB-WINGでは、発注者が「なぜこの金額か」を理解できる見積書を作成することを原則としています。
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