システム開発とは?発注者視点のメリットや注意点

システム開発完全ガイドに戻る
システムの発注者側が、システム開発について持っておくと良い知識を提供させて頂きます。
2022年現在、発注者がシステム開発について知識を得ようとしても、愕然とするほど情報が少なく。
「システム開発の工程」ばかりがGoogle検索にヒットします・・・。
要件定義、外部設計、内部設計、プログラミング、テスト・・・。
これらの情報は、システム開発会社の社員が知っていれば良く、発注者にとっては実は全く要らない情報なんです。

このページには、発注者にとって本当に必要な、システム開発の知識をまとめます。
一通り読むことで、システム開発とは何か?それは貴社にとって必要なのか?
必要ならばどのように開発を依頼すれば良いのか、理解できるようになるはずです。


💻システム開発とは?


業務の効率化や、自動的な処理を活用したビジネスを、コンピュータへのプログラミングを活用して実現すること。
これをシステム開発と言います。
(「システム開発とは課題解決の仕組み作りである」と言う説明がされることがあります。これは誤った説明で、必ずプログラミングありきです。)

プログラミングとは、コンピュータに実行してほしいことを命令のセットとしてまとめる作業で、その成果物をソフトウェアと呼びます。
システム開発は、ソフトウェアを開発する作業です。
システム開発とソフトウェア開発・ソフト開発はほぼ同じ意味です。

(ソフトウェア開発はシステム開発の一種と言う説明がされていることが多いですが、完全に真逆の誤りなのでご注意下さい。
ソフトウェア開発のうち、(簡単なマイコン制御ソフト等を除いた)一定の規模感以上のものをシステム開発と言います。)

WEBシステム開発はシステム開発の一種で、インストール不要ですぐに使えるオンラインシステムを作ることです。
WEBシステムはChromeやSafari、Edgeと言ったブラウザから使うことができます。
弊社ではWEBシステム開発のことを、わかりやすく「オンライン上で自動的に作業してくれる御社専用のロボットを作ることです。」と例えております。


⭐システム開発のメリットは?


システム開発にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
メリットの一例をリストしてみます。

  • 人件費削減
  • 事務処理のスピードアップ
  • ルーティンワークからの解放
  • ミスのない事務処理
  • オンラインサービスの展開

これらのメリットを見ると、システム開発をすればビジネスで有利だ、と思いませんか?
そうなんです。

アフターコロナの世界では、システムによる「オンラインサービスの展開」が、鍵となりますし。
事業がスピードアップできれば、会社の成長が加速します
ルーティンワークから解放されれば、社員はクリエイティブな作業に専念できることでしょう。

なぜ、自社システムがあればビジネスで有利なのか?

コンピュータと人間の得意分野は異なっており、コンピュータの得意分野はコンピュータに任せた方が効率が良く。
オンラインの情報共有はコンピュータだからこそ可能です。
人気のあるオンラインサービスを提供できれば、放置で収益を出し続けることが可能かもしれません。

1.~4.の例としては、従業員の勤怠管理システムや顧客情報管理システム等。
5.の例としては、InstagramやFacebook、Twitterと言った各種SNS等が挙げられます。

問題はシステムの開発費、ですよね。
いくらかかるのでしょうか?

💴システム開発の費用は?


システム開発にいくらかかるのか?
それは・・・

ケースバイケースです!!

なんだそれ!?と思われたかもしれません。
しかし例えばこれが、「建物を建てるのにいくらかかりますか?」だったら、いかがでしょうか?

それは、ケースバイケースですよね。
なぜなら、建物と言っても、プレハブ小屋かもしれないし、東京都庁のような建物かもしれない。

システム開発費も、それと全く同じと考えてもらえると、わかりやすいです。
システム制作のプロセスを細分化し、それを積み上げる作業を経由して、制作費を見積もります。

貴社が欲するシステムはどのようなものなのか?
まずはシステム制作会社の担当にそれを伝え、お見積りを出してもらうことで、システム開発費を確認できます。

その金額が納得できれば、システム開発を発注すれば良いですし。
納得できない金額であれば、発注する必要はありません。
(見積もり依頼だけで料金を請求されるケースは、弊社の人間は見たことがありません。)

弊社の場合は、開発するWEBシステムの規模感によりますが、2021年実績平均値として、他社の半額で開発を行わせて頂いた実績がございます。
ただし、ただ見積金額が安ければ良いわけではなく、落とし穴もあります。

📵システム開発の注意点


「システム開発をシステム開発会社に依頼すれば求めるシステムを作成してくれる」
そんな風に考えていませんか?

実は、システム開発は、失敗するケースがあるのです。
失敗には、いくつかのパターンがあります。

a. 技術力不足で受注したものの完成に到達できず放置される

他の業界の方には信じられないかもしれませんが、事実として、このようなケースがあります。
完成予定日から何年経過しても完成させられず、URLが消滅したプロジェクトを見かけます。

b. システムは完成したが、動作不具合が多く、まともな運用をすることができない

まともな運用ができないレベルの不具合とは?
会員登録ができない、検索が一切機能しない。
これでは当然、まともな運用はすることはできません。

このケースでは、開発費はしっかり支払われているので、依頼側からしたら、最悪ですよね。
お金は払っているのに、何年も不具合を直してもらえず(技術力不足で直せず)、全く運用ができてないケースが実際にありました。
(最終的に弊社が巻き取り再開発を行いました。)

c. システムは完成したが、作って欲しいものと完成したものが全く違っていた

このケースは、一見、開発側に完全に否がありそうですが、実際は、発注側にも半分は非があります。
要件を聞く開発側の担当者と、依頼主側の要件伝達体勢が噛み合っていなかったものと推測されます。

であれば仕方がない、と思われるかもしれませんが・・・。
このパターンで、10億円のコストをかけて開発失敗したケースを実際に確認しております。

このようなケースを避ける方法はあるのでしょうか?
あります。

システム開発側に、システム作成の過去実績を見せてもらいましょう。
実動作するものを触らせて頂くのがベターです。

上記a.b.を起こすようなシステム開発会社は、作成したシステムの規模感が小さかったり。
他のシステムでも不具合を頻発させている可能性が高く、判断が可能です。

上記c.を避けるためには、発注側の意識も大事です。
「システム開発会社と一緒に、システムを作り上げる!」
このような気持ちで、開発側の担当者と一緒に、機能を定義していく、という意識が必要です。
それがあれば必ず、思い通りのシステムを作り上げることができます。

弊社はコクヨ様、電通様等、一部上場企業各社にスクラッチ開発・フルスクラッチ開発でシステムを納入しております。
納入後、どの会社様からもクレームなく運用されておりますのでご安心下さい。

🔨スクラッチ開発とは?


スクラッチ開発とは、ゼロベースでオリジナルシステムを作成することを意味します。
その際に、フレームワークという、システム開発を支援する仕組みを使用しないで開発する場合、特にフルスクラッチ開発と呼びます。

対し、すでにあるシステムをカスタムしてシステム開発することをパッケージ開発と呼びます。

⭕パッケージ開発のメリットは、システム開発コストを安くできる可能性が高い点です。
⭕スクラッチ開発のメリットは、完全にオリジナルの機能を制限なく搭載できますので、他社に対する優位性を出しやすい点です。

弊社にて受託開発を行う場合、そのいずれも対応可です。

スクラッチ開発は時代遅れ、と言われることがありますが、そんなことはありません。
独自の強みこそ優位性であり、差別化に繋げられるチャンスだからです。

各種状況を踏まえて、発注者様にとって都度、最善の提案をさせて頂いております。

🌠システム開発方式について


システム開発の2大スタイルとして、「ウォーターフォール開発」「アジャイル開発」があります。
どのような開発方式で進めるかは、発注者にも影響しますので、メリット・デメリットを解説します。

ウォーターフォール開発

建築設計とほぼ同じ進め方。全てのシステムの設計を完了してから開発、テスト、と順番通りに進める
水が上から下に流れ落ちるような手順のため、ウォーターフォール式と呼ばれる。

■メリット 設計完了次点で納期・コスト共に見通せており、並行してビジネス計画を進められる。
■デメリット 設計完了後は、仕様変更が難しい。

アジャイル開発

アジャイル(agile)とは素早い、という意味。
全てのシステムの設計を完了していない段階で実装に着手し、行きつ戻りつ修正を加えながら完成を目指す方法。

■メリット 仕様変更に対応しやすい。
■デメリット 実際に完成するまで、予算、工期の見通しを立てられない。仕様変更を繰り返した場合、完成までの工期、トータルコストはウォーターフォール式より多く必要とする。

このように、いずれの開発方式にも、メリット・デメリットがあります。
特に、発注者側で気になる点としては、アジャイル開発の「実際に完成するまで、予算、工期の見通しを立てられない。」という点ではないでしょうか?

これらを考慮した上で、弊社では、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の良い部分をミクスチャーした、ハイブリッド開発を提案させて頂いております。

ハイブリッド開発 (株式会社WEB-WING式)

完成までの機能セットを、何段階にも分離して、順次リリースしていく。
機能セットをリリースする度にフィードバックをかけ、アップデートすることが可能。

■メリット 一定のタイミングで仕様変更に対応でき、かつ、各機能セットについては、予算・工期の見通しを立てた状態でプロジェクトを進められる。
■デメリット アジャイル開発と比べると仕様変更対応の柔軟さが劣る。ウォーターフォール開発と比較すると、デメリットなし。

こちらはあくまで弊社のスタイルであり、一般的な用語ではない、という意味で区別し、ハイブリッド開発 (株式会社WEB-WING式)と表記させて頂きました。
長い開発経験から、「社内ではアジャイル」「会社間はウォーターフォール」の原則が最も開発効率が良い、と感じています。
弊社では大小含めて過去、納期遅れが一度もありませんので、依頼側は常に見通しが立てられる状態を確保できており、喜びの声を数多く頂いております。

⏩システム開発の流れ


以上を踏まえて、システム開発の流れをまとめます。
要件定義、外部設計、内部設計、プログラミング、テスト・・・という、開発側の流れではなく。
発注側視点での流れ、となります。

  • 自社業務の効率化、もしくはオンラインサービスの展開を、システムを使ってできないか考える
  • システム開発会社の担当に構想を伝え、システム開発の見積もりを出してもらう
  • 見積もり価格が問題なければ、承認、正式な依頼を手続きし、システム開発スタート
  • システム開発会社の担当と、仕様詳細をしっかり詰める
  • システムの完成を待つ
  • 完成後、システムの挙動をチェック(受け入れテスト)
  • システムの出来に問題がなければOKを出し、運用スタート

「システム開発会社と一緒になってシステムを開発する」
発注者側が、このような意識を持って頂けますと、システム開発がうまくいく確率が格段に上がります。

システム開発は、発注会社とシステム開発会社の共同作業なのです。

Back to HOME